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Author:ウージー・ノキオスク
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 今でも、この町のならず者たちは、大量に免罪符を買っている。
 腕についた血をそれでぬぐえると考えているのだ。

 司教は大量に免罪符を頒布するときは割引を実施している。バカな。しかし、本当のことだ。

 免罪符のおかげで、救いは日常化した。さらには奇跡も。

 罪深きがゆえに立たなくなった足が、免罪符を毎日貼っていたら治ったとか、見えなかった目が見えるようになったとか。そういう話はありきたりになっている。そして、それらのほとんどは事実なのだ。

 司教は今や、儀式を司るのではなく神を司る。

 長年にわたって行われていた神学は、神の本質をとらえ、それを効果的に活用する方法を体系化した。

 神はもはや機械仕掛けだ。都合よく動いていただける。

 しかし、こうなってしまった今でも、我々は信心深いと言えるのだろうか。
 

 
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ゲーム進化論

 PS3にもWiiにも注目する必要はない。

 ゲームの進化の最前線は、いつもエロゲにある。
 しかも、制作の現場で、その戦いは戦われているのだ。
 製品のなかにはその成果物、といえば聞こえはよいが残滓だけが残されている。

 ユーザのコンピュータの計算能力にばらつきがあるとはいえ、それを補うためにムービーばかり増やされても本意ではないと思わぬか。

 私が欲するのは、ムービーに為る以前のもの。あるがままに動きまわる彼女たちだ。

 たとえば、艶かしく揺れる乳の映像なんかどうでもいいということよ。真に欲するはその乳を揺らすアルゴリズム。そして、その実装。つまりコードが生きている現場がほしいわけだ。

 声優たちの優れた演技は賞賛するが、その実はな、劇中のキャラクタがそのまま音声合成されてくれればと欲している。

 こんなのは私だけか。それともゲーマーの普遍的な心理と言っていいもんなんだろうかな。

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 巨大な機関(エンジン)が排出する存在子(そんざいし)で、空はいつも霞んでいる。
 貧しき人たちが祈るので、昼間の空中に放散された存在子はダイヤモンドや黄金の微細粉となって屋根に降り積もっている。
 毎朝荒い流して集めれば、朝のパン代にはなるだろう。

 しかし、それは夜を越えてからの話だ。
 夜半に悪夢を見る人がいれば、存在子が影響を受け、その悪夢は幾分なりとも実体化する。存在子濃度が濃ければ、悪夢はまったくの現実となるだろう。
 毎年数名が、実体化した悪夢に巻き込まれて死んでいる。

 このエンジンの町ではそれは単なる事故死として処理されている。

 
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チェシャガール

 カゲの薄い女の子、そんなレベルではなかった。
 彼女が精神を拡散させると(集中させるとではない)、あっという間に認識できなくなってしまった。慌てて、ビデオカメラやらスターライトスコープやらで見つけようとしたのだけど、まったくの無駄だった。

「あたしはいま、機械にもみつけられないほど薄くなってるんだよ」

 突然、現れた彼女の首。虚空に浮かんでいるのは彼女の首だけだった。彼女は笑った。笑いながらその首はしだいに薄れていった。

 あとには笑いだけが残った。

 チェシャガール。体験するまで、実在なんて信じられるはずもなく。
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 稲場一郎、通称ドッペルゲンガーきゅんは死にまくる。

 圧死、縊死、餓死、過労死、斬死、ショック死、焼死、水死、衰弱死、窒息死、墜落死、溺死、転落死、凍死、爆死、轢死…。

 それでもドッペルゲンガーきゅんは増え続ける。

「やっぱりイナバ、100人死んでも大丈夫!」

 ベタなオチなわけ? だめぇ??
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